使用貸借契約の借主、テムさんの死亡

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使用貸借契約の借主、テムさんの死亡

相続対策と不動産投資のコラム

2021/07/03 使用貸借契約の借主、テムさんの死亡

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Q.

テムさんは、大家さんの好意により、タダでアパートの2階部分に住まわせて貰っています。ある日、テムさんは、はしゃぎすぎて階段から足を踏み外して亡くなってしまいました。相続人は遠くに住んでいる長男一人だけです。この場合、大家さんはアパートの部屋を返してもらえるでしょうか?

A.

返してもらえます。

 

原則として、借主の死亡によって使用貸借契約は終了すると規定されています。
但し、当事者間において「借主の死亡後も使用貸借契約は継続する」という趣旨の特約が存在する場合や、「特段の事情」がある場合は、借主の死亡後も使用貸借契約が継続を認めています。
契約締結段階で「借主」個人の特性がそれほどまでに重視していなかったと言える場合や、貸主と旧借主(被相続人)及び新借主(相続人)との人的関係に照らして、新借主が旧借主と同視できるような場合には、「特段の事情」が認められるとした裁判例があります。特に、住居確保を目的とした使用借権の場合は、継続を認める傾向が強いようです。
今回の場合、テムさんは一人暮らしであり、長男も未成年ながら独立して立派に暴れている状況ですので、長男の住居確保を目的としたと言うような「特段の事情」が認められる状況でもありません。原則通り使用貸借契約は消滅すると思われます。

 

★世戸弁護士のコメントです。
使用貸借は、当事者の一方が無償で使用及び収益をした後に返還をすることを約して相手方からある物を受け取ることによって、その効力を生ずる契約です(民法593条)。そして,借主の死亡によって使用貸借契約は終了すると規定されています(改正前民法599条,改正後民法597条3項)。つまり,借主の死亡に伴って、使用貸借の権利である使用借権が借主の相続人に相続されることはない,というのが法律の建前です。
土地の使用貸借の場合も、同様ではありますが、使用貸借は、貸主と借主の信頼関係や特別な関係を基礎として成り立っているとされ、建物所有目的の使用貸借の場合、借主の死亡で使用貸借契約が終了しないという例外が認められる場合がある,とするのが判例・実務の解釈です。例えば,東京地判平5.9/14判タ870号208頁は,「土地に関する使用貸借契約がその敷地上の建物を所有することを目的としている場合には、当事者間の個人的要素以上に敷地上の建物所有の目的が重視されるべきであって、特段の事情がない限り、建物所有の用途にしたがってその使用を終えたときに、その返還の時期が到来するものと解するのが相当であるから、借主が死亡したとしても、土地に関する使用貸借契約が当然に終了するということにはならないというべきである。そして、前認定のとおり、本件使用貸借契約は、敷地上に建物を所有する目的、あるいは第三者に建物を所有させて利用させるために成立したものであり、現在も土地上に建物が存続し、あるいは第三者が建物を所有して土地を利用しているのであるから、建物使用が終了し、あるいは、第三者の建物所有の用途が終了したものとは認められない。」と判示しました。

 

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