借地権の買取を求められた時の考え方

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借地権の買取を求められた時の考え方

相続対策と不動産投資のコラム

2020/02/13 借地権の買取を求められた時の考え方

借地整理はチャンス

 

やま

「こばやん、うち、借地なんだけど、『地主さんから借地権を1,000万円で買い取りたい』と言われたんだ。借地面積は100㎡。売るべきかな?」

 

こば

「土地を借りていると、そんな話はよくあるよね。借地整理の話は、基本的にはチャンスだと思うよ。」

 

やま

「へぇ、なんでチャンス?」

 

こば

「今回みたいに、「借地と底地に分かれている状態」、というのは借地人さんにとっても、地主さんにとっても、勿体ない状態なんだよ。この状態を「底借状態」と言ってるよ。」

 

やま

「なんで勿体ないの?」

 

地主さんにとってのチャンス

こば

「まず、地主さんの立場から考えてみるよ。土地を貸すと、自分で使うことはできなくなるでしょ。土地の値段がガンガン上がっていく時代じゃないんだから、土地の価値の大半は利用価値にあるんだ。極端にいうと、利用できない土地の価値なんて無いに等しいってこと。地主さんの持つ底地なんて、持っていても、ささやかな地代と、数十年に一度の更新料を貰えることぐらいしか良いこと無い。そんな底地を買ってくれる人なんて、殆どいないじゃん。それでも買ってくれる専門業者もいるはいるんだけど、買取価格はかなり安くなっちゃう。」

 

こば

「ついでに、実際に売れる価格に比べると、相続税評価は高く設定されているから、底地の状態で相続すると、割高な相続税を払うハメになっちゃう。これを整理するのが相続対策の第一歩だったりするんだ。」

 

やま

「へぇ。地主さんにとって底借状態が良くないのは分かった。でもさ、なんで借地人にとっても勿体ない状態なのさ。」

 

借地人さんにとってのチャンス

こば

「それはね、地主さんの持つ底地は所有権という物権だから自由に売ることや、抵当にいれることができるのに対して、普通の借地権はあくまで債権であるから。実は借地権の括りの中に、地上権という物権もあるんだけど、あんまり使われていないから、今回はスルーするー。」

 

やま

「ダジャレかよ。そういや、大学で習ったわ。所有権は自由に売ったりできるけど、債権は債務者の承諾が無いと自由に売ったりできないんだったよね。」

 

こば

「そーそー。借地人さんは、土地を利用できてはいるけど、それは賃貸借契約という債権債務関係。だから、地代の滞納が続くと契約解除されちゃうし、借地権物件を抵当に入れたり、売却する時には、地主さんの承諾が必要になっちゃう。」

 

やま

「なるほど、土地を利用することはできるけど、法的権利としては弱いってことね。でも、地代払っていれば解除されることはないんでしょ?」

 

こば

「まぁ、旧法の借地権であればそーだね。ただ、逆にもし地代の滞納が続いて解除されちゃうと、大変なことになっちゃう。」

 

やま

「ほう、どんな?」

 

こば

「おうちが、ぶっ壊される。借地権って、建物を建てるための権利だから、借地の上に借地人の建物が建っていることになるんだけど、その建物がブルドーザーとかで壊されちゃう。」

 

やま

「えー大変!ワイルドだわね。」

 

こば

「まぁ、実際には契約解除の通知をしただけじゃダメで、裁判所で建物収去土地明渡請求を申し立てて判決もらわなきゃだから、そんなに手軽にできるもんじゃないんだけどね。」

 

やま

「でも、自分の建物が壊されちゃうかも知れないなんて、不安、、やっぱり建物所有者としては底地を買い取って所有権にしておきたいよね。」

 

こば

「逆に、借地権を売却して、底借状態から脱却することもできるんだけど、借地権は売却しにくいんだ。」

 

やま

「まぁ、そうでしょうね。・・・一応、理由を説明させてあげる。」

 

こば

「理由は、借地権は銀行の担保評価が低いこと。借地権つき建物に対し、銀行が融資してくれない訳ではないんだけど、土地部分の担保価値は低くなっちゃう。その分、別の不動産を担保に入れるか、現金を用意し

なければならないんだよ。」

 

やま

「そんなの用意できる人は少ないから、買える人が少ないってことね。だから、借地権の物件を売るのは難しいってことか。」

 

銀行融資は受けられる?

 

こば

「問題です。世界で一人だけ、借地権の購入なのに、完全な所有権の担保評価で銀行融資を受けられる人がいます。それは誰でしょう?」

 

やま

「地主さん!」

 

こば

「逆に、底地権購入なのに、完全な所有権の担保評価で銀行融資を〜」

 

やま

「借地人さん!最後まで聞くまでも無い。こばやんの話聞いていると眠くなるのよ。」

 

こば

「腹立つけど、両方正解、、、この両者で取引すれば、どちらが権利を買った場合でも、土地は完全な所有権になるから、借地人さんにとっても、地主さんにとっても、一番お得なんだよ。」

 

底地と借地の値段はどう計算する?

 

やま

「底借状態を解消するのに、借地人さん、地主さんの間で取引するのが良いっていうのは分かった。でも、値段はどうするのよ。取引相手が限られているのに、適正価格なんて決められないじゃやない。」

 

こば

「そこは、不動産鑑定を使っていただいて、、、」

 

やま

「結局、鑑定の仕事が欲しいだけか。」

 

こば

「それが一番いいんだけどなぁ。でも、鑑定評価を使わない場合は別の方法もあるんだ。」

 

やま

「なら、最初からそれを言いなよ。」

 

こば

「なるべく恣意的要素が入らないように、相続税路線価と借地権割合で機械的に計算しちゃう。もちろん、路線価と借地権割合は相続税や贈与税を計算するためのものだから、当然に私人間の売買に適用できるものじゃ無いんだけど、特に借地権割合については、他に目安となる資料が無いから、借地権実務では基準として使われることが多いんだよ。」

 

やま

「ややこしいわね。具体的に言ってよ。」

 

こば

「まず、ここやここで相続税路線価と借地権割合を調べる。例えば、「200C」と書いている場合、土地一平米あたりの単価は20万円、借地権割合は70%ということになるよ。200の後の「C」っていうのは70%ってこと。もし、「A」だと90%。」

 

やま

「うちの100㎡の借地の評価は、20万円×100㎡=2,000万円が所有権価格で、その70%の1,400万円が借地権価格、残りの600万円が底地価格ってことね。」

 

こば

「どうしても纏めたい話ならば、この金額を基準にして相手に持っていくのもアリ。地主さんの立場であれば、借地人さんに「1,400万円で借地権を売るか、600万円で底地を買うか、どちらか好きな方を選んでくれませんか?」と持ち込むんだ。借地人さんは600万円という値段で完全な所有権にすることができるので、無理してでも買ってくれることが多いよ。逆に、1,400万円で売ってください、と言われればラッキー。1,400万円で借地権を買い取って、完全な所有権として第三者に売却すれば大儲け。」

 

やま

「何で大儲け?借地権を1,400万円で買って、完全所有権として2,000万円で売るのなら、600万円の儲けでしょ。売ったら地代も入ってこなくなるんだし、大儲け、は言い過ぎじゃないの?」

 

こば

「相続税路線価っていうのはさ、公示価格の80%くらいに設定されているんだ。市場価格は公示価格に近いから、相続税路線価を基準にすると、市場価格よりも20%くらい安く買えることになるんだよ。だから、大儲け。」

 

やま

「なるほど、、、え、でもそれじゃ、借地人さんが底地を買取る方を選んだら、地主さんは損しちゃうじゃん。」

 

こば

「ただ、相続税路線価を基準にして売買できるのは、借地人さんと地主さんの当事者だけ。第三者が底地を買っても完全な所有権にはならないから、とても600万円なんて金額では買ってくれないよ。80%掛けとなる相続税路線価の金額で借地人さんに売っても、地主さんは損にはならないんだ。」

 

やま

「どちらに転んでも、損にはならないってことね。」

 

価格査定の依頼方法

こば

「もちろん、市場価格を基準にして価格を決める場合もあるよ。近くの不動産会社にその土地の買取査定をしてもらって、それをもとに借地権の評価をするんだ。その場合、仲介価格じゃなくて、買取価格を査定してもらった方がいいよ。」

 

やま

「何で買取価格じゃなきゃダメなの?」

 

こば

「仲介価格の査定の場合と、買取価格の査定の場合とでは、不動産会社のスタンスが全く違うんだよ。仲介の場合、その土地の売却を任せてもらうのが目的だから、なるべく高い金額を提示するんだ。実際にそれで市場に出してみて売れなきゃ、少しずつ値段を下げていけば良いだけ。高い金額を提示しても不動産会社にリスクは無いんだよ。だから、仲介価格はあまり信用できない。」

 

やま

「買取の場合は?」

 

こば

「その場合、高すぎる値段で買っちゃうと、不動産会社は損しちゃう。だから、買取査定の価格はある程度信用できるんだ。」

 

やま

「確かに、「完全所有権ならば3,000万円で売れます」、という仲介査定をあてにして借地権を2,100万円で買い取った後に、「やっぱり2,000万円でしか売れませんでした」なんて言われたら、大損だもんね」

 

こば

「確実に売却できる所有権価格を元にして買取、売却価格を決めれば、まず損することは無いと思うよ。」

 

結論

 

やま

「結局、今回の借地権を1,000万円で買取たい、っていう地主さんからの打診はどうすればいいかな?」

 

こば

「路線価で計算しても借地権価格は1,400万円だから、1,000万円は安すぎると思うよ。」

 

やま

「じゃぁ、どうすればいいの?」

 

こば

「一つは、計算根拠を示して、借地権買取価格を1,400万円まで上げてもらえないか、話してみる。もう一つは、地主さんの提示価格1,000万円を元にして底地価格を計算し、底地買取を申し出る。」

 

やま

「底地価格の計算ってどうやんの?」

 

こば

「1,000万円が借地権70%の評価ならば、完全所有権価格は1,000万円/70%=1,428万円になるでしょ。1,428万円ー1,000万円の残り428万円が底地価格ってこと。」

 

やま

「それで買えたら、嬉しいな。」

 

こば

「現実には買取りの話のみで来ているので、底地を売ってくれることは少ないかも知れないけど、買取価格を上げてくれる材料にはなると思うよ。」

 

やま

「まぁ、今の家、気に入っているし、引越ししたく無いから、売る気なんて無いけどね。」

 

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