地積規模の大きな宅地での鑑定評価の使い方

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地積規模の大きな宅地での鑑定評価の使い方

相続対策と不動産投資のコラム

2019/08/01 地積規模の大きな宅地での鑑定評価の使い方

地積規模の大きな宅地

ご存知の様に、平成30年1月1日以降に発生した相続から旧広大地の制度に代わり,「地積規模の大きな宅地」の評価手法が適用されることになった。

 

両者の違いを一口で言えば、旧広大地の定性的(相対的)基準から「地積規模の大きな宅地」では定量的(絶対的)な基準となったことであるが、相続税額に大きな影響を及ぼすので、路線価地域を前提にしてその内容や相違点等概観してみる。

 

1 評価方法(路線価地域の場合)

評価額=路線価 × 奥行価格補正以下の各種画地補正率 × 規模格差補正率 × 地積

(規模格差補正率は地積に応じて定められている)

 

2 適用要件

(1) 面積要件

[三大都市圏]       500㎡以上

[三大都市圏以外] 1000㎡以上

の地積を有する宅地
なお市街化調整区域内に所在する宅地については、原則として適用されないが、都市計画法第34条第10号又は11号の規定に基づき宅地分譲に係る開発行為を行うことが出来る区域に所在する宅地については、倍率地域も含め適用対象となる。
50,000㎡以上の大規模工場用地(路線価地域では大工場地区に所在する土地に限定)は適用除外となる。

 

(2) 地区要件:「普通商業・併用住宅地区」及び「普通住宅地区」に所在する宅地であること。(財産評価基本通達14-2)

基本的に都市計画法の用途地域は問わないが、唯一「工業専用地域」に所在する宅地には適用されない。

 

(3) 容積率要件:指定容積率が400%(都特別区は300%)未満の地域に所在する宅地であること。

尚、前面道路の幅員に基づき算定される基準容積率は使えず、指定容積率だけで判定される。

 

3 不要となった判定等

以上の要件を裏読みすると、旧広大地制度の次の様な判定等が不要となったといえる。

(1) マンション適地か否かの調査, 判定。
(2) 公共公益的施設用地(道路等)の必要性。
(3) 既に開発を了しているかどうかの判定(建物の存在)。
(4) 分譲区画割図面の作成(最低敷地面積の確保)。

 

4 補正率

補正率についてみると、旧広大地制度では40%~65%減額補正出来たのに対し「地積規模の大きな宅地」では、最大でも1万㎡の宅地で33%の減額にとどまる。

ただ改正後は奥行価格補正等の各種補正の重複適用が認められるようになったので単純な比較は出来ない。

 

5 「地積規模の大きな宅地」の評価手法が適用出来るようになるケース

従来の制度では広大地として認められなかったが、改正により「地積規模の大きな宅地」の評価手法が適用出来るようになった主なケースを例示してみる(上記2の適用要件は充たしているものとする)

 

(1) 路地状敷地を利用した開発地(広大地では道路開設が要件であった)
(2) 駅近の高層マンション用適地(広大地ではマンション用適地は不適用)
(3) 既にビルやマンションが建てられている土地(広大地では開発済とされ不適用)
(4) ロードサイド店舗用敷地(広大地では駐車場を含め広い店舗用地が並ぶ沿道では不適用)
(5) 特別区以外で容積率が300~400%の地域に所在する宅地

 

6 「地積規模の大きな宅地」の適用よりも鑑定評価の方が有用な場合

「地積規模の大きな宅地」の評価手法によると、かえって実勢価格(時価)を上回ってしまい、鑑定評価基準に従った評価が有用と思われるケースを挙げてみる。

 

(1) 路線価が20万円以下で多額の造成費がかかる土地(急傾斜地等)

(2) 基準面積を充たすも緑化条例等で有効宅地化率が大きく低下する大画地
(3) 基準面積を充たすも現況は無道路若しくは法外道路に面する大画地
(4) ロードサイドで基準面積を充たすも、店舗用地としては不十分で分譲開発に向く大画地

7 「地積規模の大きな宅地」の評価手法が認められないため鑑定評価が有用な場合

2の適用要件のいずれかを欠くため「地積規模の大きな宅地」の評価手法が使えず、鑑定評価額の方が財産評価基本通達による路線価評価額よりも低くなると思われるケースである。
(1) 大規模ながら基準面積には充たないため、規模格差補正率が使えない宅地
(2) 基準面積を充たすも中小工場地区にある分譲開発用適地
(3) 基準面積を充たすも都特別区で容積率300%以上の地域に所在し、前面道路や間口が6m以下の宅地
(4) 基準面積を充たすも都特別区で容積率300%以上の地域に所在する、築年数の古いマンションの敷地

 

旧広大地制度と比較すると「地積規模の大きな宅地」の評価手法はかなり使い易くなったと言える。

しかし、基準面積にわずかに届かない場合や工場跡地で分譲開発等に適する大画地の評価など新制度が機能しないケースもある。

相続税の申告に当たっては、鑑定評価を利用した方が節税に結び付く場合も多いので、御相談をお待ちしています。

 

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